出典:www.phonak.jp/

 

補聴器が必要だけど、付けるのが恥ずかしい、目立たせたくないという場合は、耳穴型補聴器がおすすめです。

 

耳穴型でもCICと呼ばれる耳穴に入る小さなタイプが特に目立ちません。

 

オーダーメイドが基本の目立たない補聴器

 

耳穴型補聴器は耳のくぼみ、あるいは耳の穴の中に入れて使います。

 

補聴器のなかでは最も小さなタイプです。したがって、何よりの特徴は目立たないということです。補聴器全体が耳の穴にすっぽりと入つてしまうサイズのものもあります。

 

耳穴型補聴器は基本的に、使う人の耳から耳型を採取し、それから作ったシェル(殻)の中に部品を組み込んで作るオーダーメイド式です。

 

耳型を採ってから補聴器ができ上がって手元に届くまでに短くて一週間ほど時間がかかることがほとんどです。ですから購入してすぐに使用するわけにはいきません。

 

もし、出来上がった補聴器が耳に合っていなくて耳が痛くなったりハウリングが起きたりするときには、また型をとってり作り直してもらえることもあります。

 

いかに良い耳型を採取するか、さらにそれを基に、どのように良いシェルを作るかが補聴器技能者、メー力ーの腕の見せどころです。

 

一時期ほとんど見られなくなっていた、工場で初めからシェルまで作られている既製(モジュラー)タイプの耳穴型補聴器も、最近新たに販売されてきています。

 

耳型を採らなくても十分に小さくでき、耳と補聴器の間に隙間があってもハウリングが起きにくいものができるようになつたため開発されました。同性能のオーダーメイドより、いくぶん安価です。

 

メガネを使うときでも邪魔にならない

 

また耳穴型の目立たないという特徴の他、もう1つの長所は、耳にかけないため、メガネを使うときでも邪魔にならないことです。

 

スポーツをするときでもぶらぶらすることがないので、耳かけ型に比べると外れにくくなります。

 

目立たないがハウリングが起きやすい

 

耳穴型補聴器は音を拾うマイクと音を出すスピーカーとの距離が近いため、ハウリング(ピーピー音)が起きやすいのが欠点です。

 

ハウリングとは補聴器が大きくした音をまたマイクが拾ってしまいさらに音を大きくしてしまう現象です。

 

そのため、耳穴型では大きな音を出すことができなかったのですが、近年はこのハウリングを抑える技術が大幅に向上したため、相当に大きな音まで出せるようになってきています。

 

耳穴型補聴器の種類

 

目立たないことが特徴の耳穴型補聴器ですが、おもに3つのタイプに分けることができます。

 

耳穴型は、そのサイズによって大きいほうからITE(フルサイズ)、ITC(カナル)、CICの3種類に分けることができます。補聴器メーカーによっては、さらにそれぞれの中間の大きさを設けているところもあります。

 

ITE(フルサイズ・フルシェルタイプ)

 

ITE(フルサイズ)・フルシェルタイプは耳のくぼみいっぱいに作られます。そのため、ある程度補聴器が目立ちます。しかし、耳道をしっかりとふさぐことができるため耳かけ型に近いぐらいの音を出すことが出来るため、重度の難聴まで対応することができます。

 

大きい分だけボリューム調整のためのトリマーやテレコイル、指向性のための2つのマイクなど、いろいろな機能を付けることもできます。重度の難聴で目立つ耳かけ型を使いたくない人に適しています。

 

ITC(カナル)

 

ITC(カナル)は耳の穴の入り口までの大きさで、ITEより小さく、その分あまり目立ちません。いろいろな機能を付けるのにも十分な大きさです。

 

高度難聴までの広い範囲の人が使うことができます。

 

CIC

 

CICは耳の穴に全体が入ってしまうタイプで、正面からだとほとんどつけていることがわかラないくらい目立ちません。サイズが小さいため、トリマーや指向性を付けることはできません。

 

一般に補聴器が耳の奥にあるため受話器を耳にあててもハウリングが起きにくい傾向があります。適応は軽中等度の難聴で、目立たない補徳器を希望する人向けです。

 

IIC型・ミニカナル型

 

最近はもっと小さなものもあります

 

CICよりも小さくて、ずっと奥に入れるタイプ(IIC型・ミニカナル型)も出てきました。外からはほとんど見えないくらい目立ちません。

 

耳の奥、鼓膜に近いところまで補聴器が入りますので、耳型を採取するときは医師の監視下で行う必要があります。また、耳の穴の小さい人では作れないこともあります。

 

そこまで奥ではないものの、従来のCICよりも小さくて奥に入れるタイプも各社より発売されてきています。ディープCICやミニCICなどと呼ばれています。やはり目立たないことが特徴です。

 

適応はCIC型と同じく軽小等度の難聴までです。

 

目立たないという特徴以外にも良い点が!

 

これらの耳の奥まで入れるタイプの補聴器は、目立たないということ以外にも補聴器と耳で作る空間が小さいため、大きな音が出せる、また、自分の声がこもって聞こえることが少なくなるという良い点があります。

 

目立たない補聴器を希望する場合はこの耳穴型補聴器が第一選択になるでしょう。

 

また、目立たない耳穴型が欲しいが、価格が高くて手が出ないという場合は、耳かけ型補聴器でもチューブの細いタイプのものなら、女性の場合(髪の毛に隠れて)むしろ目立たないこともあるので、そちらも考慮してみると良いと思います。

 

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