補聴器の電池交換について

 

補聴器は電池を電源とする精密機器です。

 

いつもに比べて聞こえないのではと感じるときは、まず電池が切れていないか確認する必要があります。

 

電池の交換方法は補聴器によってまちまちですから、電池交換の手順をあらかじめ確認しておくと安心です。

 

また、電池は切れていなくてもプラスとマイナスを入れ間違えると補聴器は機能しません。

 

特にお年寄りなどは細かいものを見たり、手先で操作したりということも苦手になってくるのが一般的ですので、家族や周りの人が聞こえの調子とともにチェックするとよいでしょう(プラスとマイナスを入れ替えても使えるタイプがありますが、まだ機種は限られています)。

 

電池の消耗は使用時間とボリュームによって決まりますので、人によって交換時期がだいたい一定になります。ですから電池を交換した日をカレンダーに書いておくと次の交換日が予想でき便利です。

 

ポケット型補聴器以外に使われる「空気亜鉛電池」

 

ポケット型(箱型)補聴器には、日常的におなじみの単3もしくは単4乾電池が使われていますが、ポケット型以外には、空気亜鉛電池というタイプのボタン形電池が使われています。

 

空気亜鉛電池には、プラス(+陽極)の側にシールが貼ってあります。シールをはがすと、そこに小さな空気孔(あな)があります。

 

この孔によって、電池の中の亜鉛と空気中の酸素が少しずつ反応して電気を作るのです。空気亜鉛電池は容量が大きいうえ、最後まで電圧の変化が少なく安定して電気を供給できるため補聴器に最適の電池といえます。

 

逆に最大の欠点としては、いったんシールをはがすと、使わなくても少しずつ放電してしまうことにあります。

 

空気亜鉛電池はシールをはがしてから電圧が安定するまでに、30秒から1分ほどかかります。電池を入れ換えてすぐのときに補聴器から変な音が聞こえても、それは故障ではありません

 

補聴器に使われる空気亜鉛電池は大きさによって4種類あります。購入するときには、自分の補聴器が使うタイプをよく確認して、間違えないようにしましょう。

 

空気亜鉛電池の種類 シールの色 サイズ 主に使われる補聴器
10A(PR536) 黄色 5.8×3.6 耳穴型(CIC)
312(PR41) 茶色 7.9×3.6 耳穴型(ITC)、小さな耳かけ型
13(PR48) オレンジ色 7.9×5.4 耳穴型(ITE)、小さな耳かけ型
675(PR44) 青色 11.6×5.4 フルサイズ型

 

補聴器の空気亜鉛電池の扱い方

 

補聴器の空気亜鉛電池の代わりに、岡じサイズのほかのボタン電池を使った場合、それによって補聴器が故障した場合は補償の対象になりませんので、使わないようにしてください。

 

価格も空気亜鉛電池が最も安価ですので、経済的な面からもお勧めできません。

 

空気亜鉛電池を長い間補聴器に入れておくと、液漏れを起こすこともあります。長時間使わないときには補聴器から取り出しておきましょう。

 

交換が面倒なので充電したいという人もいます。しかし、空気電池は充電できません。充電可能な補聴器用の電池もありますが、日本では正規に販売されていません。

 

補聴器と電池メーカーの相性を気にする人もいますが、そのような相性はあまりありません。ただ電池メーカーにより多少は性能の差があります。

 

補聴器の電池を長持ちさせるコツ

 

電池を長持ちさせるコツを紹介します。

 

空気亜鉛電池は、乾燥と二酸化炭素に弱いので、夜間など補聴器を乾燥ケースや乾燥器に入れるときには電池を外しておきましょう

 

そして、ストーブなど.二酸化炭素を発生するものの近くには置かないようにしましよう。もちろん、シールをはがしてなければ気にすることはありません。

 

使用済みの電池の処分方法

 

.使用済みの補聴器の電池はセロハンテープを貼って回収店へ持っていきましょう。

 

空気亜鉛電池を含むボタン電池には水銀が微量含まれています。環境汚染を起こさないことと資源のリサイクルを目的に、電池工業会が中心となって回収事業を行っています。

 

使用済みの電池は、まず両面にセロハンテープを貼って絶縁します。その電池を補聴器販売店や電気店、時計店に持っていき、回収缶に廃棄してください。

 

廃棄された電池は、すべてリサイクラーによって適正に処理され、埋め立てなどはしないことになっています。

 

なお最近では、水銀ゼロの空気電池も登場し、その数も増えてきました。性能はほとんど変わりません。環境汚染が少ないとはいっても、使用済み電池は販売店に持って行き、処分してもらうようにしましょう。

 

誤って電池を飲んでしまった場合は

 

普段手の届かないところに置いていても、何かの間違いで小さな子供が電池を飲んでしまうこともあります。

 

使い切った電池であればまだよいのですが、新しい電池の場合は、電流や漏出したアルカリで食道や胃がただれたリ、穴があいてしまうことがあります。

 

もし電池を飲み込んでしまったときには、すぐに病院に行ってください。

 

 

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