補聴器を付けると耳が悪くなる?
補聴器は大きなが出ますから、自分に適しない状態のもので使用すると耳を痛めて聴力の低下を招くことがあります(補聴器障害といいます)。
ただし、適切なフィッティングを継続的に行っている場合には、耳を悪くする心配はほとんどありません。
自分に適したフィッテングを継続しているにもかかわらず、聴力が低下したという人がときどきいますが、そのような方の多くは補聴器を装用しなくても聴力が徐々に低下していく経過の中でたまたま補聴器を装用したにすぎず、「補聴器をしたから聴力が低下した」というのはあたらないといいます。
一般的には、きちんと調整を行った補聴器を適正に使用している限り、聞こえが悪くなることはないといわれています。
しかし、正常な耳の人でも、長時間やかましいところにいると騒音性難聴になったり、ロックコンサートなどで大きな音を聞くと急性の音響障害を起こして耳が悪くなることがあります。
補聴器を使っている人はもともと耳が弱っていますから、補聴器とはいえ大きな音を長い間聞いていると、聞こえが悪化することも考えられます。
けれども、補聴器には大きな音が出すぎないように制限する機能が付いていますので、節度をもった使い方をしている限り、そんなに神経質になる必要はありません。それでも、年に1回は聴力検査を受け、補聴器の点検をするのが理想です。
補聴器には聴力を悪化させない出力制限がある
大きな音を聞くと耳が悪くなる(難聴になる)ことが知られています。
持続的に大きな音を聞き続けると騒音性難聴に、突発的な爆音などでは音響外傷や急性音響障害と呼ばれる難聴になってしまいます。
補聴器で音を大きくするのはよいのですが、もしも大きな音が入ったときには耳を傷めて耳が悪くなる(難聴が悪化する)可能性があります。
耳を悪くしない機能
そのため補聴器には大きな音が出すぎないようにする機能が必ず付いています。
ただ、補聴器によって制限方法は違っていて、単に大きな音をカットするものもあります。この場合、大きな音が入るとガーガーと割れてしまいます。
最近のほとんどの補聴器は、音がひずまないように出力制限できるようになっています。さらには、大きな音による不快さもなくしてくれます。
難聴になって小さい音は聞こえなくなっても、大きな音は案外同じように聞こえるものです。ですから大きな音をさらに増幅すると、とてもうるさく感じてしまします。
それはときに聴覚過敏に大きな音に過敏になり補聴器の使用に耐えられない場合もあります。
一般的には聴力によって最大出力を決めるのですが、大きな音に対する感じ方は人それぞれですので個人に合わせて調整をします。その際、聴力険?のときにどのくらい大きさの音に耐えられるかの力を調べる不快レベルの測定を行うこともあります。
補聴器は必要なときだけつければいい?
耳が悪くなる気がするからといってたまにしか補聴器をつけない人もいます。
しかし、原則として、補聴器はできる限りつけましょう。
というのは、脳が補聴器を通して聞こえるいろいろな音に慣れなくてはならないからです。必要なときだけ補聴器をつけるのではなく、必要なときのために、普段から補聴器をつけることをお勧めします。
補聴器をつけていても音楽は聴ける?
もちろん音楽を楽しむことはできます。ただし、補聴器は人の言葉を聞くことを目的に設計されていますので、音楽を聴く際、ときに不都合が生じることがあります。
音楽は人の声よりも音の大小が強いため、音量の自動調整が働いてしまい、音がひずんで間こえてしまうことがあリます。
また、音楽は音の高低も、声よりも広範囲にわたっていますので、より性能のよいスピーカーでないと音を再現できない場合もあります。
補聴器のなかには音楽モードにプログラムの切り替えができるものもありますので、そちらを選ぶという方法もあります。